秋晴れが続いて、澄んだ秋の空をみると気持ちがいいですね。
皆様はどんな秋をお過ごしでしょうか。
杉本は11月6、7日に大阪で開催された女性医学学会学術集会に参加して参りました。
2日間しっかりと女性医学に関わるお話を聞いて、患者様に新しい情報をお伝えしていきたいと思っております。
薬局においでの際にはお声かけください!
今回はPMSについてです。
PMS(月経前症候群)って何?
PMSとはPremenstrual Syndromeの略で、月経前症候群と言います。
月経の前3〜10日の間に続く精神的、身体的症状で、月経が始まると症状が治ったり、無くなったりするものをさします。
イライラや気分の落ち込み、不安感、怒りっぽくなるなどの精神症状、下腹部、乳房の張り、痛み、頭痛、むくみ、便秘などの身体症状が代表的ですが、そのほかにもいろいろな不調があり、個人差も大きく、自分では気がつかないことも多いです。
例えば、食欲がいつもよりある、甘いものが食べたくなる、眠くなる、なんでもないことで泣いてしまう、肌荒れ、ニキビなどもPMSの症状です。
PMSはホルモンバランスによってもたらされる不調なのです!
精神症状が強い場合はPMDDの可能性も!
PMS症状のうち、精神症状ばかりが強く出る場合はPMDDという精神疾患の可能性も有ります。
PMDDとはPremenstrual Dysphoric Disorderの略で月経前不快気分障害です。
月経が始まれば治るからとか、みんなも同じと我慢することはありません。
そういう時は、自分を労る時だと考えてください。
辛い時には1人で我慢して放っておかずに家族に相談したり、お薬に助けてもらっていいのです。
もしかしてと思ったら婦人科を受診してみましょう。
まずは近所の薬局で相談するもの良いでしょう。
PMSの原因って何なの?
PMSの原因ははっきりとは分かっていませんが女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの変動が関わっていると考えられています。
エストロゲンは排卵前に多く分泌される性ホルモンで気分、認知、睡眠、食欲、行動などを調節する働きがあります。
プロゲステロンは排卵後に出るホルモンです。
プロゲステロンは排卵直後から分泌量が増え、月経開始の1週間くらい前から減り始めます。
プロゲステロンが減るとGABAやセロトニンといった、気分を落ち着かせたり、不安感を取り除いたりする神経伝達物質がうまく働かなくなります。
エストロゲンもプロゲステロンと同様、セロトニンを調整する働きがあるため、この2つの増減が影響し、PMSを引き起こしている可能性があります。
どうして人によって症状の違いが起きるの?
プロゲステロンは体の中でいろいろな現象を誘発します。
例えば、ホルモンの働きで水分を体から排出しにくくなってしまうと、むくみの原因に。
それが、乳房に溜まれば乳房の痛みに、頭に溜まれば頭痛、また水分が溜まると、体全体がだるく感じることもあります。
プロゲステロンは、大腸の蠕動運動を抑える作用があり、また体内に水分を蓄積しようとすると、便中の水分が減り、便が固くなり、便秘傾向になります。
また、プロゲステロンが減るとセロトニンも低下するのでうつ症状やネガティブ思考になり気持ちが不安定になります。
さらに、生理前はインスリン(血糖値を下げるホルモン)の効果が低下し、血糖値を上げるために普段より多量のインスリンが必要になります。
そのため、食事から2〜3時間後には低血糖を生じやすく、甘いものが食べたくなるなどの症状が出ることがあるのです。
エストロゲンはインスリンの効きを良くし、プロゲステロンはインスリンの効きを悪くすると考えられています。
このように、デリケートな女性の体がホルモン分泌に影響を受け、それがその人の体質、体調により200以上の症状となって現れるのです。
PMSになったらどうしたらいいの?
まずはライフスタイルを見直してみましょう!
不規則な生活をしない、ストレスを溜め込まない、バランスの取れた食事をする。
バランスのの良い食事
①血糖値をゆっくり上げて感情を安定させましょう。
砂糖、果物、チョコレート、ケーキなどのの食品を避ける。
ゆっくり消化し、ゆっくり血糖値を上げられる食品を摂取する。
小分けにして食事を取る
②刺激物を避け、イライラを和らげたり、ホルモンバランスを整える栄養素を摂取しましょう。
カフェインを避ける。
イライラや情緒不安定を和らげるビタミンB6、カルシウム、マグネシウムを摂取する。(カツオ、レバー、ナッツ類、海藻類)
③植物のエストロゲンとも呼ばれるイソフラボンを摂取する
豆腐、豆乳、納豆
④神経伝達物質の代謝に関与しているビタミンEを摂取する
ブロッコリー、アーモンド
⑤塩分やアルコールを控え、利尿作用のある食べ物を摂取しましょう
利尿作用のあるビタミンEを含む食べ物(乾燥まめ、木の実、全粒の食品)
軽い運動も効果的
ストレッチ、ヨガ、散歩、深呼吸で、気分転換になり、PMSが軽減することもあります。
無理する必要はありませんが、気が向いた時で構わないので試してみましょう。
リラックス効果があるので効果的です。
PMSの時の薬物治療は?
薬物治療が必要な時もあります。
鎮痛剤、漢方薬、利尿剤、精神安定剤(SSRI)、ホルモン療法(ピル)があります。
どれも、医師の診察が必要ですのでまずは婦人科に受診しましょう。
ピルは全般的に身体症状に有効な場合が多く、月経痛や過多月経にも有効なので有益性は大きいと思います。
ドロスピレノン含有薬はニキビ、手足のむくみ、PMS、PMDDの精神疾患にもよく効くと言われています。
PMSが改善できることを知らずに、能力が発揮できないでいるのは社会的な損出ですし、その人個人にとっては辛いし、残念なことです。
これはPMSかもと思っても、毎月我慢して過ごしている方の味方になり、治療が必要な方にはアドバイスしております。
まずは大岡山北口薬局にご相談下さい。
毎日快適に過ごせるようにサポートいたします。
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