骨粗鬆症治療を開始したら必要なこと・・・それは歯科受診!

骨粗鬆症治療を開始したら・・・歯科受診の予約を!

10月、いい季節ですね。

金木犀のやさしい香りが秋を感じます。

先週末、杉本は骨粗鬆症学会に参加してまいりました。

大岡山北口薬局では骨密度測定会から治療開始して下さる方が増えております。

その方々に伝えたいことは2つ!

①定期的な歯科受診をする 半年に1回は受診が望ましい

②かかりつけの歯科医を持つ

骨粗鬆症治療には、骨吸収抑制薬であるビスホスホネートやデノスマブといった薬が使われることが多いのですが、

その副作用として骨吸収抑制薬関連顎骨壊死があります。

顎骨壊死(がっこつえし)という言葉を聞いたことはありますか?

顎骨壊死とは「あごの骨の組織や細胞が局所的に死滅し、骨が腐った状態になること」

今回、お伝えしたいことは骨粗鬆症の薬を飲んだから顎骨壊死になるわけではなく、口の中の衛生状態が悪いことで起こるということです。

重要なことは、骨粗鬆症の治療薬を服用している方に起こる骨壊死は顎骨に特有に生じているという事実です!

顎骨は体の他の部位に比べて極めて感染しやすい環境下にあり、その環境が発症に深く関与していると考えられています。

骨粗鬆症と歯周病の関係性

骨粗鬆症の患者様は歯周病のリスクが高いけれど、骨粗鬆症の治療は歯周病の改善に有効であることが分かっています。

歯周病は歯の支えとなっている骨が失われていくことで、歯の予後に大きな影響を及ぼす病気です。

歯周病=骨の病気

とも表現できます。

骨粗鬆症も骨の病気ですから、深く関連があることは想像できるのではないでしょうか。

顎骨壊死と抜歯の関係 

顎骨壊死の発症予防には「抜歯をできるだけ避ける」あるいは、「骨吸収抑制薬を休薬する」という対応がなされてきました。

しかし、抜歯を行わなくても顎骨壊死は発生しており、抜歯の手術侵襲よりも抜歯の原因となった局所感染(歯周炎)による炎症の持続で発症したと思われる症例も多くなっているようです。

抜歯を極端に避けることや、無理に休薬している期間に局所感染が持続、悪化し顎骨壊死に至る症例も存在します。

抜歯を含めた歯科治療を適切に対応すれば顎骨壊死を予防できる可能性もあります。

2023年に出された「顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023」では

「抜歯を行う際の休薬が顎骨壊死発症の予防に有効であるとする十分なエビデンスが現時点では得られていないことから、医師と歯科医師の間で歯科治療の必要性を共有しつつ、休薬を前提としない歯科治療の継続が望まれる」

とあります。

骨吸収抑制薬で骨粗鬆症の治療をしながら、信頼できるかかりつけの歯科医にサポートしてもらい、口腔内を適切に管理しましょう!

女性ヘルスケア専門薬剤師

最後に杉本からご報告があります!

日本女性医学学会の認定試験に合格し女性ヘルスケア専門薬剤師の資格を取得いたしました!

お近くのヘルスケア専門医も日本女性医学学会のホームページから探すことができます!

今後も女性医学の専門家として女性が一生、元気で快適に過ごせますようにヘルスケアの普及に励みたいと思います。

女性医学学会ホームページ⇩

 

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