妊娠希望、妊娠中の女性が適切な治療を受けられるように
8月も残すところあと少しとなりました。夏の陰りを感じますね。8月最後の日曜日に杉本は東京都薬剤師会の薬学講習会に行ってまいりました。今回は妊娠・授乳中の薬物治療について、妊婦と薬剤に係る安全管理でしたので、皆様にもお伝えしたいと思います。
2019年 子供の人口
日本の子供の人口は1533万人で38年連続の減少。総人口に占める割合も12.1%と45年連続の低下。➡10人の人がいたら1人しか子供がいないってこと!!
近年の国連人口統計年鑑等をみると、人口4千万人以上の主要国32か国中、日本の子供の人口割合は最も低い。
『人生最初の1000日』 Series from the Lanset journals
ユニセフ専門家ら『ランセット』で論文を発表
胎内にいる時から2歳の誕生日までの「人生最初の1000日」に適切な栄養を取り、適切なケアを受けられれば、子供が病気にかかりにくくなり命や成長を守られることが明らかになった。
薬剤師のミッション
日本の未来を支える子供の人口が少なくなってる事実が目の前にあり、妊娠中の方や授乳してる方に薬物療法について可能な限りの科学的根拠や情報を集めて、根拠のない不安や不要な中絶の選択をさせないようにすること
妊娠時期と児への影響
all or none 全か無の時期
受胎~2週=妊娠4週 影響が大きければ流産、小さければ修復、以上の可能性はない
催奇形性に注意しなければいけない時期
妊娠4週から12週頃まで 骨格や器官ができる時期
胎児毒性に注意しなければいけない時期
上記以降 胎盤を移行する低分子化合物やIgG製剤は高濃度で移行する
先天異常・流産は特別なことではない
- 先天異常・流産は自然発生であることを理解
- 先天異常発生頻度 2~3% ひどく異常と思いこまないこと
- 自然流産率 全妊娠率の10~15% 40歳以上では41.3%
医薬品が先天異常の原因とされるものは約1%
すなわち10000人に2人程度
薬を心配しすぎて実際に起きてること
- 医療機関は薬物療法を控える
- 妊婦は自己判断で大切な薬でも服用を中止
- 妊婦が妊娠自体を諦める
- 医療機関は十分なエビデンスもなく妊娠継続に難色を示す
妊娠と薬情報センターの紹介
妊娠中、授乳中の薬の使用に関する考え方
使用するリスク、使用しないリスクを考える
疾患を持つ妊婦では急な服薬中止は危険な場合があることを理解
十分な評価をして、必要な場合は薬の投与を検討すべき
服薬した場合、必ず授乳を諦めなくてもいいですし、授乳するために服薬を中止する必要もありません。個々のお薬についての正しい情報をもとに主治医の先生と相談しながら決めることが大切
成育医療研究センター
相談の流れはセンターに書類を郵送して申し込みます。
- 電話での相談
- 妊娠と薬外来での相談
- 主治医の下で相談
1~3の相談すべて、まずは問診票のPDFをダウンロードして印刷し記入します。
問診表の個人情報に関しては問題なくかけると思いますが、薬の相談のところは記入するのに不安があるかもしれません。そこは薬剤師におませください。近隣の薬局にお願いすれば書いてくれると思います。
もちろん、大岡山北口薬局お持ちいただければお手伝いいたします。
不安があるときには1人で悩まずにまず相談してください。
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