女性に多い「隠れ狭心症」・・・微小血管狭心症
微小血管狭心症をご存知ですか?
狭心症という病気は聞いた事があると思いますが、いわゆる皆様が知っている狭心症とは違うのが、微小血管狭心症です。
比較的新しい概念の病気で、更年期を迎えた10人に1人が発症すると言われています。
心臓は全身に血液を送り、酸素や栄養を届けています。
その心臓の筋肉に栄養や酸素を送り、心臓の働きを支えているのが「冠動脈」という血管です。
この冠動脈は大きい血管からどんどん細い血管に枝分かれし、髪の毛よりも細い微小な血管へと繋がります。
この冠動脈の微小血管が十分に拡張しなかったり異常に収縮したりすると、心臓の筋肉に一時的に血が行き渡らなくなり、動機や胸痛などの狭心症のような症状が見られる場合があります。
この状態が「微小血管狭心症」です。
一般的な血管造影検査では発見できず、見逃されることも多いのが特徴です。
狭心症・・・男女で違いがある!
実は狭心症は男女で起こり方が異なります
男性は太い血管が詰まって起こる事が多いですが、女性は微小な血管が挟まって起こることが多く、最新の調査では、女性の7割が微小血管狭心症であることがわかってきています。
また、胸の痛みが起こると思う方が多いと思いますが、女性の場合は胸だけではなく、首や肩、腹部など様々な場所に痛みが出る事がわかってきています。
また、40代から50代の更年期ごろに不調を感じやすいので、更年期障害で調子が悪いと思って、本人は心臓の病気だとはとは自覚しにくい怖さがあります。
微小血管狭心症と更年期の関係
微小血管狭心症の発症と関係が深いのが更年期です。
女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」には血管を拡張して血流を保護したり、血管を強くしなやかな状態に保つ働きがあります。
更年期にはエストロゲンが低下するのと、家事や育児のストレス、介護の負担、仕事上の責任が重くなり、心身ともにストレスのかかりやすい時期です。
発症する年齢も40代から50代の閉経前後に多くなっています。
杉本も患者様の症状を聞いて、微小血管狭心症ではないかと説明し、循環器科に受診を勧めたことがあります。
胸が痛いだけではなく、肩や顎のあたりが痛いこともあるそうです。(放散痛については後述)
今は、症状がでたときにニトロペン(亜硝酸剤)服用で症状は改善されています。
微小血管狭心症の症状
微小血管狭心症は一般的な狭心症のような短時間の胸痛や胸部圧迫感ではない場合が多いです
放散痛
背中や肩の痛み、顎やのど、耳の後部などの痛みが見られます。
これは放散痛と呼ばれ、本来の痛みの部位とは違うところへ痛みが伝わる状態です。
どの症状も更年期には見られやすい症状です。
しかし、これらの症状が改善せずずっと繰り返し起こる場合には、微小血管狭心症の可能性を視野に入れ、専門の医療機関で詳しい検査を受けましょう。
消化器症状
吐き気や胃痛などの症状が見られます。
胸痛と消化器症状は、微小血管狭心症の症状ですが、逆流性食道炎でも同じ症状が見られます。
食道炎の場合、水を飲むと胸痛が治るという特徴がありますので、当てはまる場合は逆流性食道炎の可能性も視野に入れましょう。
動悸・呼吸困難感
動悸は普通では感じることのない心臓の拍動が感じられる状態です。
脈が飛んだり、拍動を強く感じたり、速く感じたりする場合があります。
呼吸困難感は、息切れや息苦しい、息を吸っても足りないと感じるなどの症状が見られます。
胸痛・胸部圧迫痛
動作と関係なく、安静時にも胸の痛みや、圧迫感が見られます。
数分以上から半日続くことも珍しくありません。
微小血管狭心症が疑われる場合は専門医へ相談を
微小血管狭心症は、診断が難しい病気です。
症状も、更年期に起こる症状と同じような内容ですので、見過ごされる可能性もあります。
循環器科や、微小血管狭心症の治療実績のある病院やクリニックへの受診が勧められます。
専門医に相談しましょう。
気になる時には大岡山北口薬局にまずはご相談ください!
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