女性ホルモンが教えてくれたこと~知ってるようで知らないHRT

令和初のお正月を迎えました。

2020年も皆様にとって良い1年となりますように!!

今年も皆様のヘルスリテラシー向上につながりますように健康情報を発信していきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

2020年初めての今回は「HRT(ホルモン補充療法)」です。

女性ホルモン~体や心の不調を気づかせてくれる大事な存在

私たち女性は女性ホルモンとともに成長します。

潤った肌もつややかな髪も、妊娠・出産ができるのも女性ホルモンのおかげです。

しかしそれだけでなく、実はもっとすごい働きをして、女性の体を守ってくれています。

その半面、月経周期で心身にトラブルが起きたり、更年期には様々な不調の原因にも。

そんな女性ホルモンのことを知り、これからも上手に付き合っていくことが人生を楽しむ秘訣です。

日本におけるHRTの現状

女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があります

HRT(ホルモン補充療法)とは体内にエストロゲンを補充し、一定期間、プロゲステロンも一緒に補充する治療法です。

理由はエストロゲンだけを補充すると子宮内膜が厚くなり、子宮体癌を発症するうリスクが高まるからです。

子宮がある女性は必ずプロゲステロンを併用する必要があります。(子宮がない人はエストロゲン単独投与が可能)

閉経後女性のHRT使用率はオーストラリアで50%以上、アメリカやフランスでも40%近いなど欧米ではスタンダードな治療法となっていますが、日本での普及率は約2%にとどまってるのが現状です。

乳がんとの関係~リスクよりもメリットのほうが高い

日本でHRTが普及しない原因の一つに乳がんリスクが高くなると思っている方が多いからです。

補充するホルモン量は若い人の1/5以下。量や種類の調整で安全に使え症状緩和の大きな助けになります。

現在では世界的にHRTを行うことによる心疾患、骨粗鬆症などの予防というベネフィットのほうが高いとして期待が高まっています。

種類と使い方

HRTで使用するホルモン剤には様々な種類があります。

大切なのはレセプター(受容体)の存在。

ホルモンにはレセプターと呼ばれる受け皿がありますが、その機能は加齢とともに衰えていきます。

50代の女性に20~30代並みのホルモンを入れても受け止めきれませんし、むしろそれが新たな疾患を招くこともあります。

ホルモン状況は血液検査でチェックし、医師と相談して足りない分を少しだけ足して「不快な症状を軽減した」状態に持っていくのがHRTの正しい使い方です。

不調を感じたらまず婦人科へ

どこにかかればいいかわからない場合は「日本女性医学学会」というサイトをご覧ください。

どのエリアにどういう医師がいるかすぐにわかります。

このサイトに載っていないクリニックの場合にはホームページを参照して、更年期症状、HRT、骨粗鬆症などの中高年女性の健康管理の項目があることを確認するといいと思います。

私も女性医学会会員なので先生を紹介することもできます。

自分で何とかしようと思わないことが大切です。まずはご相談ください。

コメント